社会のデジタル化が進む中、IT業界の市場は拡大し、それに伴いエンジニアの需要が増えている現状があります。多くの企業がシステム開発や管理・運用のためにエンジニアの求人情報を発信しています。

エンジニアの求人情報は社員だけにとどまりません。業務委託(企業から仕事を委託される)の雇用形態でもエンジニアの求人情報を発信し、契約しているケースもあります。

この記事では主に以下のことがわかります。

  • エンジニアの業務委託に関わる求人の給与などの基本的な情報
  • エンジニアの業務委託が増加しているわけ
  • 企業側がエンジニアと業務委託するメリット・デメリット
  • エンジニアに業務委託する時に知っておくこと
  • エンジニアの業務委託のスタイル(請負契約・準委任契約)

エンジニア 業務委託に関わる基本的な情報とは

ここでは、求人サイト「求人ボックス」のデータを参考に業務委託でのエンジニアの「「求人の給与」「求人数トレンド」「求人検索ランキングTOP3」「働き方・雇用形態」の情報について紹介します。

基本的な情報:エンジニア 業務委託の求人の給与

業務委託でのエンジニア求人の給与情報の例を以下に示します。

  • 在宅可能なシステムエンジニア:月給45万円~60万円
  • アプリ開発などのITエンジニア:月給30万円~80万円
  • 美容関連予約アプリのiOS開発エンジニア:月給80万円~100万円
  • Web開発システムエンジニア:年収400万円~600万円

などがあり、平均月給は64.6万円です。

基本的な情報:エンジニア 業務委託の求人数トレンド

求人数の掲載数の平均求人数は36,478件です。2021年から右肩上がりで求人数が増え始め、ある時期から急激に増え、2022年の後半には少し減少していますが、2023年に入り少しずつ増えているのが現状です。

基本的な情報:ITエンジニアの人気の求人検索ランキング

ITエンジニアの人気の求人検索ランキング

第3位:インフラエンジニア

第2位:Webエンジニア

第1位:プログラマー 未経験

基本的な情報:働き方・雇用形態

正社員:28,771件

アルバイト・パート:9,534件

派遣社員:1,888件

業務委託・在宅ワーク:242件

エンジニアの業務委託が増加しているわけ

ここでは、エンジニアの業務委託が増加している理由についてみていきましょう。

業務委託の増加:エンジニアが売り手市場

エンジニアの業務委託が増加しているのは需要が高まっているからです。多くの企業がデジタル化に伴い、システムの開発を加速させています。

システムの開発や管理・運用にはエンジニアが必要です。そのような背景からエンジニアを求める企業が増え、益々、エンジニアが不足しています。社員の求人だけでは不足を補うことができないためエンジニアの業務委託が増えているのです。

業務委託の増加:エンジニアの自由に使える時間が増えた

エンジニアが働きやすくなったことで、エンジニアの業務委託が増えているのでしょう。企業に常駐して働く以外の在宅やテレワークなど働き方の多様性により、エンジニアが時間や場所に縛られないことが、業務委託の増加の原因と言えます。

業務委託の増加:エンジニアが安心して働ける環境が整った

エンジニアが安心して働ける保険などの制度ができたことが業務委託の増加と言えます。エンジニアがケガや病気の際に給与などが補障されない業務委託では安心して働けません。フリーランスエンジニアを対象にした保険などケガや病気になっても給与の補障があり、エンジニアが業務委託でも安心して働けるようになったため増加しているのです。

企業側がエンジニアと業務委託するメリット・デメリット

企業側がエンジニアと業務委託するメリット・デメリットについてみていきましょう。

企業側がエンジニアと業務委託するメリット・デメリットは以下3つ。

  • メリット:人材確保がしやすい
  • メリット:コスト削減
  • デメリット:補償されない

業務委託するメリット:人材確保がしやすい

企業から委託された仕事をやるエンジニアは自分で求人・案件を獲得しているため、高いスキルを持っていると判断できます。つまり、企業としては優秀なエンジニアに仕事を任せるということになり、比較的簡単に人材確保ができます。

業務委託するメリット:コスト削減

正社員を雇うより、業務委託でエンジニアを確保する方がコスト削減になります。正社員には、給与以外に福利厚生費などの人件費がかかります。業務委託でエンジニアを確保すればそれらの人件費が削減できます。

業務委託するデメリット:補償されない

エンジニアは、ケガや病気で仕事ができないケースも考えられます。そうなると代わりに誰かがやってくれるあるいは仕事ができない分の補償があるなどがなく、企業としては困るのがデメリットです。

エンジニアに業務委託する時に知っておくこと

ここでは、企業がエンジニアに業務委託する時に注意することなどについて解説します。

注意する点は以下2つです。

  • エンジニアのスキル確認
  • 業務委託契約内容の認識がマッチしているか

エンジニアのスキル確認

エンジニアが持っているスキルと企業が求めるスキルとが一致しているのか確認が大切です。もし、企業が求めるスキルよりエンジニアのスキルが低い場合は、システム開発などのプロジェクトが成功しない可能性があります。

技術的なスキルやこれまでに取り組んできた過去の経験、似たような案件の実績などを確認し、プロジェクトが成功するのか確認するとよいのでしょう。

業務委託契約内容の認識がマッチしているか

エンジニアと企業との業務委託契約では、トラブルを回避するためにお互いがしっかりと確認することが重要です。エンジニアと担当者のミスマッチを防ぐために確認は、企業の管理者ではなく、プロジェクトを担当者と行うようにしましょう。

エンジニアの業務委託のスタイル

ここでは、エンジニアの業務委託の「請負契約」と「準委任契約」の2つのスタイルについてみていきましょう。

業務委託のスタイル:請負契約

請負契約とは、依頼元の仕事を請け負った方が仕事を完成させて、その報酬として依頼元からお金が支払われる契約です。企業とエンジニアの関係で言えば、依頼元が企業であり、請け負った方がエンジニアになります。

エンジニアが仕事を完成させても、企業と交わした契約(要求通り)に仕事ができていない場合報酬は支払われません。

業務委託のスタイル:準委任契約

準委任契約は、仕事の完成ではなく、一部の業務の処理などでお金が支払われる契約です。準委任契約では、一部の業務を任されるため、残りは依頼元である企業側が行います。つまり、エンジニアと企業側で合わせてシステム開発などを完成させる契約です。

準委任契約では、完全にシステムの開発が終わっていない場合でも、エンジニアに与えられた業務が終わっていれば、報酬が支払われます。企業側にはプロジェクトのスピードアップやコスト削減のメリットがあると言えます。

まとめ

エンジニアの業務委託に関わる求人の数が年々増えていることがわかりました。企業側が業務委託してエンジニアを確保している理由もわかったのではないでしょうか。

また企業側がエンジニアと業務委託するメリットは多くあり、デメリットは少ないこともわかり、さらに業務委託には請負契約・準委任契約があることがわかりました。

業務委託の雇用形態で働きたいエンジニアの方は参考にしてくださいね。