システムエンジニアとして働こうとしたときにIT企業にはブラック企業が多いという話を聞いたことがある人が多いのではないでしょうか。
なぜブラック企業が多いと言われるのか、ブラック企業の見分け方などを紹介していきます。
システムエンジニアとは
システムエンジニアの仕事は主にシステム開発での上流工程を担当しています。上流工程とは、システム開発を行ううえで必要な要求分析や、それを基にした仕様書の作成などを行います。
システム開発にともなう期間や予算を見積もるのも仕事のひとつです。チームのメンバーのスケジュール管理を行ったりマネージメントをしたりと、行う業務が多く残業しやすいという点でブラックと感じられる可能性が高いです。
IT業界は、下請け構造がメインでメーカーの下に多くの企業が下請けになっている構造が多く、環境も良いものとはいえません。下請けになればなるほど、短い納期で低い予算で高度な仕事を求められる場合も少なくありません。
システムエンジニアがブラックと言われる理由とは3選
一般的にシステムエンジニアがブラックと言われている理由を3つ紹介していきます。
システムエンジニアがブラックと言われる理由①残業
システムエンジニアの仕事は残業になりやすいという点でブラックと言われる可能性が高いです。システム開発業務は、基本的に納期があります。業務を委託されたシステムエンジニアは、どんなに途中でトラブルがあっても遅れずに納期に間に合わせなければなりません。
そのため、残業をする必要がある場面になることが多く、納期前には忙しくなることが多いです。
システムエンジニアがブラックと言われる理由②労働組合がない
システムエンジニアが所属するIT業界は、中小企業やベンチャー企業が多く、大手メーカーなどに比べると働く環境が整っていないことが多いです。
そのひとつに労働組合がないケースが挙げられます。労働組合がないことで残業時間や賃金の未払いについて相談する環境ががありません。そのまま悪い環境の中で働くことで社員の健康や生活に悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。
システムエンジニアがブラックと言われる理由③仕事での変更依頼が多い
システムエンジニアに仕事を依頼するクライアントはシステム開発を知らない人が多いのが現状です。そのため、開発が始まってから追加機能の依頼や仕様書を変更してくることが多いです。
納期は変わらず、内容が追加される悪循環は、システムエンジニアの残業時間が増えてしまう可能性があります。
システムエンジニアのためのブラック企業の見分けかたポイント5選
システムエンジニアはブラック企業で働きやすいと知らず知らずのうちに世間の当たり前になりつつあります。しかし、我慢できる度合いにもほどがあります。そこで、ここではブラック企業を見分けるポイントを解説していきます。
社員の平均年齢
社員の平均年齢が低い企業は、ブラック企業の可能性があります。会社を設立してから長く経っているのに若い社員が多い企業は注意が必要です。
若い社員が多いということは、やめる社員が多く、ベテラン社員がいないことが多いです。その原因として労働環境が悪いという可能性が挙げられます。
優秀な仕事のできるシステムエンジニアは、ブラック企業を見極め、すぐに転職してやめてしまいます。転職は、入社3年目が一番多いとされていて、その結果、中堅層社員がいない環境になります。
ベテランがいない環境で未経験のシステムエンジニアが成長するのは難しい環境なのかもしれません。
募集の採用人数
募集の採用人数が不自然に多い企業はブラック企業の可能性があります。会社の規模が大きく採用人数が多いケースや新規事業の立ち上げで多いケースなどもありますが、注意が必要です。
中小企業やベンチャー企業なのに不自然に採用人数が多いところは、人手が足りないくらい忙しく残業が多い可能性があります。
また、採用時に採用試験業務など仕事をさせた後、ふるいにかけられて不採用にさせられてしまうといった声も少なくありません。
仕事請け構造
先にも述べたように、企業自体が多重請負構造になっている企業はブラック企業の可能性があります。
IT企業は、1次請けから2次請けへとどんどん下へ仕事が流れていくシステムになっています。多いときは4次請けまである企業もあります。
下へ仕事が流れていくシステムの下で働くと、安い報酬で1次請けと同様の質の仕事を短い納期でしなければいけないという欠点があります。
下請けをたくさん受け持っている企業ほど売上が少ないなか残業が増えるといった環境になりやすいです。
残業・給料制度
給料が年俸制で、残業がみなしになっている企業はブラック企業の可能性があります。
年俸制の給料は1年単位で金額が決定するため、ボーナスや残業代が含まれていない可能性が高いです。求人のサイトで見た年俸額が高く入社してみたけど、実際はそれ以上に働かされるケースもあります。
さらに、みなし残業では、残業せずとも一定時間の残業代が給料に加算されているため、それ以上働いてももらえないことが多いです。例えば、40時間の残業代を含むと定められているとすると、実際に50時間残業しても10時間分の残業代が出ない場合があります。
仕事内容
システムエンジニアの仕事は主にシステム開発を行っていますが、そこでも自社システムか他社システムかによって働く場所が異なることがあります。
特に他社システムを扱う仕事がメインの企業は、客先常駐を実施しているところが多く、ブラック企業の可能性があります。
客先常駐とは、入社した企業とは別のお客様企業のオフィスに常駐して仕事をすることです。常駐先では、残業が多い下請けの仕事ばかりさせられることが多いので注意が必要です。
企業の中には、常駐先でシステム開発を行っているところもありますが、単純作業ばかりさせられ、成長できない環境など、キャリアアップには適していない環境が多いです。
システムエンジニアを採用しているホワイト企業を見極めるには?
最近では、様々な仕事に携わっているIT企業が増えてきました。そのなかで、ブラック企業とホワイト企業を見極めるのは難しいです。
しかし、システム技術やサービス、開発アイデアに自社の独自性がある会社で、他企業と差別化ができる成長している企業であればブラック企業である可能性は低いです。
また、新卒や転職と同じく、信頼できる求人サイトに登録し、ネットやSNSで企業の口コミや評価を幅広く知ることもブラック企業を見極める方法のひとつなのではないでしょうか。
さらに、面接時に気になることがあれば遠慮なく聞くことも、後に入社してから働きやすい環境の企業を決めるきっかけになるかもしれません。
まとめ
今回は、システムエンジニアのためのブラック企業の見分け方についてポイントをおさえて解説してきました。システムエンジニアは在宅で仕事ができたり何かと自由がきく職種である一方で、残業が多いなどの欠点もあります。自分のライフスタイルやキャリアにあった企業探しに今回の記事を参考にしてみてはいかがでしょうか。