プロダクトマネージャーとプロジェクトマネージャーは似た言葉ですが、違いが気になりませんか。プロダクトとは製品、商品、生産物、製作物などを意味する言葉で、一方プロジェクトは、ビジネス上の目標を達成するための業務や組織のことです。ではそれらを管理するプロダクトマネージャーとプロジェクトマネージャーでは何に違いがあるのかみていきましょう。

プロダクトとプロジェクトの違いを知っておこう

プロダクトマネージャーとプロジェクトマネージャーの違いを知るためには、プロダクトとプロジェクトの違いを理解しておくことが大切です。

プロダクトとは、英語の「product」に由来し、「出来上がったもの」という意味合いで使われます。ビジネスでは、工場製品のことを「factory products」と表現し、天然資源などの自然の産物は「natural products 」と表現します。 

プロダクトは期間が限定されませんが、プロジェクトは一定期間内に目標達成に向け計画された一連の業務や組織が行う活動になり、期間が限定されます。プロダクトとプロジェクトではこの部分に違いがあります。

プロダクトマネージャーとは

プロダクトマネージャーは、出来上がった製品やサービスを管理するだけの役職ではありません。クライアントのニーズに応えて利益を上げることが仕事です。プロダクトマネージャーは、販売計画やマーケティング戦略などを立案する管理者になります。

ではプロダクトマネージャーとは具体的にどのような仕事をするのか、またどのようなスキルが役立つのでしょうか。プロダクトマネージャーの仕事と役立つスキルをみていきましょう。

プロダクトマネージャーの仕事

プロダクトマネージャーは、プロジェクトの上流工程と下流工程に役割があります。上流工程では、クライアントとの交流の機会が発生し、クライアントの要望を引き出すのがプロダクトマネージャーの仕事です。

またクライアントの要望に沿ってかたちで、「システム概要」「機能要件」「性能要件」「セキュリティ要件」「システム開発の目的・背景」などのドキュメント作成もプロダクトマネージャーの仕事になります。

下流工程では、製品やサービスを販売していく際の営業・研究開発・財務・法務など部署の取りまとめと方針を決める仕事をプロダクトマネージャーが担います。

プロダクトマネージャーに役立つスキル

プロダクトマネージャーは、以下のスキルが必要です。

  • 理解力・考察力
  • 発想力
  • コミュニケーション能力
  • 利害関係者の管理能力

プロダクトマネージャーは課題解決の仕事をします。課題をしっかり理解していないと的外れのプロダクトを計画することになります。不十分な理解では改善計画の立案は難しいでしょう。そのため、理解力と考察力はプロダクトマネージャーに必要なのです。

プロダクト推進は新しいことに取り組むことが多く、発想の転換をできるという事が非常に重要です。プロダクトマネージャーは、部署間をまとめることも仕事なので、コミュニケーションできないと仕事を推進できなくなります。

プロダクトマネージャーは、クライアントやプロジェクトに関係する人々との関係が多くなります。これらの人との関係を深めるためには、安心して管理を任せられるといった信頼を得る管理計画を作成することが大切です。

 プロジェクトマネージャーとは

プロジェクトマネージャーは、プロジェクト全体の推進を管理し、予算や品質、納期、成果物の品質に対して全責任を持ちます。プロジェクトマネージャーは、スケジュールや予算を管理し、プロジェクトを円滑に推進できるように管理するのが主な仕事です。

プロジェクトマネージャーの仕事

プロジェクトマネージャーの仕事は以下の5つです。

  1. システム開発・導入におけるシステム開発計画の策定
  2. プロジェクトを完成するために必要なチームを設定
  3. プロジェクトを円滑に推進させる
  4. クライアントとチームメンバーとの対人関係を円滑にする
  5. 成果物を評価する

プロジェクトマネージャーに役立つスキル

プロジェクトマネージャーに求められるのは、チームメンバーのモチベーションを高め、パフォーマンスを最大限に発揮させるための管理能力です。そのためには、メンバー同士のスムーズなコミュニケーションは欠かせません。

プロジェクトマネージャーには、進捗管理やスケジュール管理といったマネジメントに加えて、人間関係を良好にするヒューマンスキルも求められているのです。

プロダクトマネージャーとプロジェクトマネージャーの違い

プロダクトマネージャーとプロジェクトマネージャーの違いは以下の5つです。

違い①責任範囲

プロダクトマネージャーとプロジェクトマネージャーには、責任範囲に違いがあります。プロダクトマネージャーは、マーケティング調査、プロダクト企画、プロダクト開発からリリースまでのすべてに責任を負うことになります。

プロジェクトマネージャーは、プロジェクト計画、タスクの割り当て、ワークフローやプロセスの視覚化、製品やサービスのリリースまでのすべてに責任を負う管理者です。

違い②役割

プロダクトマネージャーとプロジェクトマネージャーには、役割に違いがあります。業務範囲を例にあげると以下のようになります。

プロダクトマネージャーの役割プロジェクトマネージャーの役割
プロダクト要件定義作業内容や成果物の決定
マーケティング品質管理
ブランド管理コスト管理
デザインスケジュール管理
データ分析リスク管理
業務サポートコミュニケーション管理

違い③仕事内容

プロダクトマネージャーとプロジェクトマネージャーには、仕事内容に違いがあります。プロダクトマネージャーとプロジェクトマネージャーの仕事内容の違いは以下のようになります。

プロダクトマネージャーの仕事内容プロジェクトマネージャーの仕事内容
マーケティング調査システム化する業務の内容の分析
プロダクト企画プロジェクトチームの編成
プロダクト開発プロジェクト計画の進行の管理
セールスクライアントと開発チームとの調整役
カスタマーサポート成果物の評価およびレビュー
計画の管理利害者とのコミュニケーション管理

違い④視点

プロダクトマネージャーとプロジェクトマネージャーの違いは視点です。

・プロダクトマネージャーの視点：ビジョン、ユーザー価値、事業収益

クライアントとともに新たな価値を創造する活動の成果を最大化するために、プロダクトマネージャーには、プロダクトビジョンを明確することが必要です。

ビジョンの分析からプロジェクトの要望がクライアントにとって価値のあるものにする必要があります。

・プロジェクトマネージャーの視点：スコープ管理、スケジュール管理、課題管理

プロジェクトマネージャーには、完成したイメージを定義し、どのような作業が必要かを決めることが求められます。スケジュール管理では、クライアントの承認タスクと期間を入れておくことが必要です。プロジェクト進行中の課題や確認事項は、課題管理表などで、すべて確認できる状態にし、誰が対応するのか、いつまでに対応する必要があるのかを明確にすることが必要になります。

違い⑤平均年収

プロダクトマネージャーの平均年収は約700万円ほど。

プロジェクトマネージャーの平均年収は経済省のデータによれば891.5万円。

このようにプロダクトマネージャーとプロジェクトマネージャーでは、平均年収でも違いがあります。

まとめ

プロダクトマネージャーとプロジェクトマネージャーには違いがあります。プロダクトマネージャーは、出来上がった製品やサービスを管理することが主な仕事。一方プロジェクトマネージャーは、製品やサービスを作るための組織が行う活動を管理するのが主な仕事です。

プロダクトマネージャーとプロジェクトマネージャーでは求められるスキルにも違いがあり、自分に向いているマネージャーを目指すとよいでしょう。