システム開発のスタッフには、プログラマ(PG)、システムエンジニア(SE)、プロジェクトリーダー(PL)とさまざまな役割があります。システム開発の責任者としてトップの役職と言えるのがプロジェクトマネージャーです。キャリアパスをしてプロジェクトマネージャーを目指したい方も多くいるのではないでしょうか。一方でプロジェクトマネージャーからのキャリアパスのイメージがわかないという方も多くいるでしょう。そこでプロジェクトマネージャーからの役職やキャリアアップにはどのようなものがあるのか解説します。プロジェクトマネージャー以降の役職やキャリアパスが気になる方は参考にしてください。
プロジェクトマネージャーのキャリアパスとは
プロジェクトマネージャー以降にキャリアを積んで上位の役職を目指すために進んでいくための道筋のことです。
キャリアパスを選ぶ理由
プロジェクトマネージャー以降にキャリアパスを選ぶ理由は以下の3つです。
- 現在の肩書きより上のポジションで働きたい
- 年収アップ・スキルアップ
- 将来的なキャリアの安定性を確保
プロジェクトマネージャーより上のポジションでやりがいのある仕事をしたいからです。キャリアパスにより上位の役職に就けば、年収アップが望めます。キャリアパスを選んでスキルアップすれば転職に有利になるからです。企業の経営の変化により、需要が低くなってもキャリアパスを選ぶことで、雇用の安定性を確保しやすいと言えます。
プロジェクトマネージャーからのキャリアパスにおける役職
プロジェクトマネージャー以降の主な役職は以下5つです。
- プロジェクトコーディネーター
- アシスタントプロジェクトマネージャー
- シニアプロジェクトマネージャー
- CIO(Chief Information Officer:最高情報責任者)
- PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)
プロジェクトコーディネーター
キャリアパスによってプロジェクトコーディネーターを目指せます。プロジェクトコーディネーターはスケジュール管理、ドキュメント作成などをする事務職。プロジェクトマネージャーのサポートをするのが役割です。
アシスタントプロジェクトマネージャー
キャリアパスによってアシスタントプロジェクトマネージャーを目指せます。アシスタントプロジェクトマネージャーは、プロジェクトマネージャーの補佐役です。スケジュール表の作成、予算の把握や支払いの管理、関係者との打ち合わせ、ミーティングの準備、進捗状況や問題点などをプロジェクトマネージャーに報告する役割があります。
シニアプロジェクトマネージャー
キャリアパスによってシニアプロジェクトマネージャーを目指せます。シニアプロジェクトマネージャーは高いスキル、専門知識と豊富なプロジェクト経験を持ったプロジェクトマネージャーです。プロジェクトの方針決定や課題解決に際して、意思決定する役割を担います。
最高情報責任者
キャリアパスによって最高情報責任者を目指せます。最高情報責任者は企業情報技術部門の最高責任者です。事業部長レベルの役職で、プロジェクトマネージャー(課長レベル)からならまずは、部長を目指し、そこからキャリアパスによって目指す役職です。
プロジェクトマネジメントオフィス
キャリアパスによってプロジェクトマネジメントオフィスを目指せます。プロジェクトマネジメントオフィスは、「プロジェクトマネジメント」のサポートをするのが役割です。プロジェクトの計画、実行、監視、制御、報告などでプロジェクトマネジャーをサポートします。
開発プロジェクト部門長の役職になり、プロジェクトマネジャーの補佐的な役割が大きいため、プロジェクトマネジメントオフィスの経験だけでは部門長になるのは難しいと言えます。
そのためまずは、プロジェクトマネージャーとしてプロジェクトマネジメント経験を積み、プロジェクトマネジメントに関してプロジェクトマネジメントオフィスに意見を申し述べることが大切です。
キャリアパスの実現に向け役立つスキル
キャリアパスに役立つスキルは以下4つです。
- 開発スキル
- マネジメントスキル
- コミュニケーションスキル
- 論理的思考力(ロジカルシンキング)
キャリアパスに役立つスキル①開発スキル
ソフトウェアの開発に必要な技術や知識で、「システム設計」「プログラミング」「テスト」「運用」「保守」「セキュリティー」などが該当し、ITエンジニアに重要な能力です。システム設計ではシステム全体を考える力をつけるデザイン力が重要です。プログラミングでは言語の基礎知識や、複数の言語を知って使えることが求められます。
キャリアパスに役立つスキル②マネジメントスキル
キャリアパスでプロジェクトマネージャーより上のプロジェクトマネジメントオフィスを目指すのであれば、マネジメントスキルをアップさせることが重要です。プロジェクトマネジメントオフィスでは、マネジメントの専門職として、各プロジェクトにおいて全体をしっかり管理しなければなりません。
キャリアパスに役立つスキル③コミュニケーションスキル
コミュニケーションスキルは、どのようなポジションでもビジネスをやるうえで大変重要なことです。間接的な職を目指す人だけではなく、現場の業務を行う人にもコミュニケーションスキルは欠かせません。
クライアント企業の課題や問題を分析し、適切な解決策や改善策を提案するコンサルタントや経営層などを目指す人だけではなく、システムの設計・構築・運用・保守などの現場の業務を行う人などにもコミュニケーションスキルは大切です。
キャリアパスに役立つスキル④論理的思考力(ロジカルシンキング)
ロジカルシンキング(論理的思考)は以下の要素で構成されています。
- 言葉や文字を目的に当てはまるように扱う
- 言葉や文字の合理的な考え方
- 矛盾のない論理に結びつける
- 物事を細かく要素分解する
- 整理して人に伝える
キャリアパスを目指すのにおすすめの職・ポジション
キャリアパスを目指すのにおすすめの職・ポジションは以下3つです。
- ITスペシャリスト
- ITコンサルタント
- 経営マネジメント
ITスペシャリスト
ITスペシャリストは情報技術に関する知識やスキルを持ち、プログラミングやデータベース化、システム開発、ネットワーク管理、セキュリティ対策などに詳しいIT技術の専門家です。
また設計・構築、導入から保守・運用・トラブル対応なども行います。さらにフレームワーク(アプリケーションを稼働させるための土台)を決めることや、ツールの開発・導入を行い、システムの枠組みを作るのも仕事です。
つまり、ITの専門分野に特化した人材と言えます。ITスペシャリストはフルスタックエンジニア、ITアーキテクトなどの職種へのキャリアパスが描けます。
ITコンサルタント
ITコンサルタントはクライアント企業のシステムの導入をサポートします。システムの導入における課題の解決策を提示する提案スキルが必要です。またクライアント企業のニーズを聞き取るスキルも求められます。
経営マネジメント
ビジネスでは、安定的に利益を得ることが重要です。その実現に向けてビジネス戦略の立案や実行、業務プロセスの最適化、人材管理、財務管理、リスク管理など、経営に関する業務をマネジメントすることです。安定的に利益を得るには生産データ、販売データ、原価データの管理が大切です。さらに商品やサービスに対する消費者の需要傾向を予測した対応も求められます。
まとめ
プロジェクトマネージャーのキャリアパスには、「プロジェクトコーディネーター」「アシスタントプロジェクトマネージャー」「シニアプロジェクトマネージャー」などが多くありますが、市場のニーズや時代にマッチしたキャリアを積むことが大切です。