プロジェクトマネージャ試験の合格は、プロジェクトマネージャーへの道が開けると言えるでしょう。試験の合格によって知識などの能力を証明でき、評価につながるからです。プロジェクトマネージャ試験にチャレンジしてプロジェクトマネージャーへキャリアアップしたいと思っている人もいるのではないでしょうか。

そこで気になるのが合格率です。この記事では、プロジェクトマネージャ試験の内容や合格の基準、合格率などを解説し、合わせてプロジェクトマネージャー試験の合格率を上げる勉強方法も紹介します。

プロジェクトマネージャー試験とは?

プロジェクトマネージャ試験とは、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が取りまとめている国家資格です。年1回実施され、システム開発のプロジェクト責任者としてプロジェクトマネージャーに必要な知識やスキルの判断に利用されています。プロジェクトマネージャ試験は、情報処理技術者試験の中でもレベルが高く、合格率が低い難易度の高い試験です。

プロジェクトマネージャー試験内容と合格の基準

プロジェクトマネージャ試験は合格率が低く難易度の高い試験と言われていますが、試験の内容や出題分野がわかれば対策は可能です。ここでは、プロジェクトマネージャ試験の形式と出題分野、試験時間、合格基準点と合格率についてみていきましょう。

プロジェクトマネージャー試験の形式と出題分野、試験時間

プロジェクトマネージャ試験は午前2回、午後2回の4部構成。

午前Ⅰ:多肢選択式(四肢択一)30問 9:30~10:20(50分)

午前Ⅱ:多肢選択式(四肢択一)25問 10:50~11:30(40分)

午後Ⅰ:記述式 3問から2問選択 12:30~14:00(90分)

午後Ⅱ:論述式 2問から1問選択    14:30~16:30(120分) 

このように午前は問題に対して複数の選択肢から選ぶ問題で、午後は文章で答える問題になり、合格率に影響する問題と言えるでしょう。

午前Ⅰ:スキル面、経営、法律、セキュリティに関する知識など基本知識として、幅広い分野から出題

午前Ⅱ:システム開発管理技術、ソフトウェア開発管理技術、サービスマネジメント、システム企画、法務など専門知識とセキュリティ・プロジェクトマネジメントに関する分野から出題

午後Ⅰ:プロジェクトマネジメント業務(プロジェクトの立ち上げ、実行・管理、評価)における例を基に、プロジェクトの目的や実施方法など文章で回答する問題

午後Ⅱ:プロジェクトの計画・チームの編成、推進・管理などのプロジェクトマネジメント業務に関する専門的な内容について文章で回答する問題

プロジェクトマネージャー試験の合格基準点と合格率

プロジェクトマネージャ試験は午前・午後の試験共に60点以上が合格です。IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が公表した合格率は以下の表のようになっております。

      年度      合格率
       平成21年7.3%
平成22年8.1%
平成23年8.0%
平成24年8.3%
平成25年8.0%
平成26年7.9%
平成27年8.6%
平成28年9.2%
平成29年8.3%
平成30年8.2%
平成31年8.8%
令和02年10.2%
令和03年10.6%

このように毎年10%以下が多く低い合格率です。

プロジェクトマネージャー試験の合格率を上げる勉強方法と時間

合格率が低いプロジェクトマネージャ試験ですが、適切な勉強方法や時間によって合格率を上げることも可能です。ここでは、独学での合格率アップする勉強方法や時間と講座・スクールによる合格率アップと勉強方法や時間についてみていきましょう。

合格率を上げる勉強方法:独学の場合

プロジェクトマネージャ試験は難易度が高く、合格率が低い高難度の試験です。独学での合格が難しいと考える方もいるでしょう。しかし、独学で合格している方がいるのも事実で、無理ではありません。まずは、合格までの勉強時間の計画が大切です。過去の情報から約300時間以上勉強した方が多いようで、1日に換算すると3〜4時間以上の勉強になり約3か月間です。

特にプロジェクトマネージャ試験の合格率に影響しやすい論述問題に時間をかけましょう。論述問題には得意不得意があり、得意な方は40時間ほどを目安に勉強すれば合格に近づきます。

しかし、40時間といったまとまった時間を取るのが難しい場合は、1年以上かかる覚悟も大切です。独学で合格率を上げるポイントは論述問題の対策をしっかりやることです。そのため文章を書く訓練をしっかりやっておきましょう。また多肢選択式では過去の問題を多く解いておくことが合格率アップにつながります。

合格率を上げる勉強方法:講座・スクールの場合

独学で論述問題へのモチベーションが上がらない方には講座・スクールの勉強はおすすめです。独学より費用はかかりますが、モチベーションが下がらず効率良く勉強ができます。

講座・スクールの場合は、期間や1日の時間も決まっているため効果的と言えます。しかし、通ったり、時間が制限されたりするデメリットもあります。講座やスクールによって受講時間は異なりますが、約100時間から150時間の勉強、約2〜4か月の受講期間で合格した方が多いです。

プロジェクトマネージャー試験の目標別の合格率アップ方法

午後Ⅱの試験(論述式)の合格率を上げるためには、120分という短い時間の中で文章での回答が求められるため、まずは、問題文を早く理解することが求められます。そのため、文章を素早く理解できるようにしておきましょう。

問題文の理解が早くなることで、文章の書き出しが早くなります。また文字数に制限があるため、論理的でわかりやすい文章を短くまとめるスキルを身に付けることも必要です。勉強方法としては事例集などの参考書を利用すると文章を短くまとめて書くためのトレーニングになりおすすめです。

プロジェクトマネージャ試験の出題傾向や勉強のコツを知るためには、本・参考書が役立ちます。学習ナビゲーションや論文対策のコツが学べる「ポケットスタディ プロジェクトマネージャ(秀和システム、著者:具志堅融 / 葛西澄男)」の本はおすすめです。

また合格論文の書き方、論述式試験を突破するなど進捗管理の専門家による6論文、品質管理の専門家による7論文、費用管理の専門家による3論文を掲載されている「プロジェクトマネージャ 合格論文の書き方・事例集(アイテック、著者:岡山 昌二 / 落合和雄 / 佐々木章二)」は午後Ⅱの試験(論述式)の合格率を上げるために役立ちます。

まとめ

プロジェクトマネージャ試験は、レベルが高く、合格率の低い難易度が高い国家資格です。プロジェクトマネージャ試験にチャレンジして合格を目指すのは、システム開発のプロジェクト責任者として知識やスキルが認められるからです。つまり、プロジェクトマネージャーとして評価され、年収アップや転職に有利になるなどメリットが多くあります。また管理者としての仕事にやりがいもあるでしょう。合格率の低いプロジェクトマネージャ試験ですが、チャレンジしてみる価値はあります。